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第7話 大人のチカラ

last update تاريخ النشر: 2025-05-16 11:05:21

――めっちゃ遅くねぇぇぇぇ~!? つか緊張感台無しだしぃぃぃぃ~!!

 心の中で叫んでいた。

 ようやく部屋からカレンの姿がなくなった頃、都築が無造作に転がっていた鉄パイプを手に持った。

「知られちゃってんなら一人も二人も同じだからなぁ……。ぼうずぅぅぅ消える前に参考までに一応聞いといてやるよぉぉぉ。何でわかったんだぁぁぁ?」

「わかったわけじゃない。確信があったわけじゃない」

「ならなんでだぁぁぁぁ?」

――やべぇぇ~、マジでこのままだとやられる3秒前みたいなかんじ? つか、あの人もまだこねぇし、クソッ!!こいつ、もう駄目だ。後ろのヤツにほとんど飲み込まれてやがる!!

「はじめは、ただの違和感だった。この1週間のあんたたちの行動や言動を聞いて、なんか違うなって思っただけだった。でも義妹《いもうと》を連れて行ったあの日俺はあんたの背にいる|ソ《・》|イ《・》|ツ《・》」が見えた。そしてあの言葉」

「あのことばぁぁぁ?」
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     俺と伊織はというと――。 皆が一生懸命にしめ縄の作業をしている様子を見つつ、婆ちゃんと共に、柏木様の元へと足を運んでいた。 柏木様と言っても、已然の場所で雄大な姿を見せていたあの柏木様ではなく、初代様に託されたあの『若い柏木様』の事。 あれから少しばかり成長をした若い柏木様を、婆ちゃん達が大社へと運んできて、元の柏木様がそびえていた場所のまたその奥の場所へ、新たな門として植えたのだ。もちろんそこには依然と同じような小さな祠が祭られているし、新たな柏木様の周囲には既に新たなしめ縄が周囲を囲むようにして結び付けられている。「また少し大きくなられた様じゃの」「うん。背が伸びた気がするね」「うん」 柏木様を前にしてその様子を伺う。「婆ちゃん」「なんじゃの?」「あの柏木様はどうなるの? 伐採しちゃうの?」「いんや伐採などはせん。というよりもじゃ……」 少し言いよどむ婆ちゃん。「ここ最近は元気がなくなってきとる」「え? そうは見えないけど……」「いや。段々と蝕まれてきて来ておるのは間違いない、その証拠に根元が枯れ始めとるからの」「捜査のせい?」「うぅ~ん。まったく関係がないとは言い切れんの。周囲の土を掘り起こしたままで現場検証などに時間をくってしまったからの。じゃが本質は違うの。やはり今までの負担が大きく影響しとるんじゃろうの」「……そうか」「…………」 今まで頑張って来てくれた柏木様。しかしそう遠くない未来には、その雄大な姿は見られなくなってしまうだろう。 そう考えると段々と寂しさや悲しさが込み上げてくる。 それは伊織も同じだったようで、自然と両手を汲んで祈りを捧げていた。「さて、当分の間はここに来るのも終いじゃの」

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     もうすぐ雪が降り始めるかのように、どんよりとした灰色の雲が空を覆い、時折漏れる吐息が白い煙のように立ち上る朝。  俺と伊織、そして婆ちゃんと爺ちゃん達と共にまた大社へと赴いていた。前日まではその麓にあるキャンプ場にて一泊し、次の日の早朝から長い階段を登り始めたのだけど、朝が早いという事と思った以上に冷気が空から降りてきている影響で、俺は体を動かすのがやっとというような有様。「ねぇ!! あそこに何かいるわよ!!」「もう!! 静かに昇りなさいよ夢乃!!」「えぇ~いいじゃん!! ようやくこうして皆でちょーじょーにある大佐様? のところへいけるようになったんだもん!!」 俺達一行の後を追うように、研究会の皆が石段を登ってきている。その中でも相馬さんが一番元気がいい。 キャンプ場での手伝いなどがあり、早朝からの仕事などもあるため、割と朝早い時間に目覚めるという事は慣れていると胸を張って言い切っていただけの事は有る。「色々違ってますよ相馬さん」「そねぇ……。まずは大佐様ではなく大社ですしぃ、向かって行くのはその大社ではなく柏木様のところですよぉ?」 運動することは苦手なので階段を登るのに苦労するかもなんて、少し苦笑いしつつ昇り始めた市川姉妹だったけど、ここまでは特に疲れなどの変化は見られない。「柏木様って伊織ちゃん!?」「え!? は、はい!! なんでしょうか!?」――柏木様ってそうじゃないよ相馬さん。まぁ確かに伊織は元柏木さんだけどね。伊織も今は藤堂さんなわけだから返事をするんじゃない!! などと心の中でツッコミを入れるが、俺は既にここ何度目かの階段上りとなっているので、飽きているというのと朝早いのとが合わさって言葉にする元気もない。 そうなのだ。俺と伊織はここ最近土日になると婆ちゃんの所へと行っていたというのはもちろんだけど、大社周りをかたづけたり、更に元に戻す事や掃除などをする為に何度か大社へと足を運んでいる。 初めは体力があったの

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  • 幽霊が見えるからって慣れてるわけじゃない!!   第141話 まずい!!

     今、理央さんの中に入っている方はおそらく戦国期になってお嫁に来てくれた反逆していた方の家の方で、亡くなった経緯は前に話を聞いたり、調べたりした事と同様だった。  しかし、やはり自分達だけで調べたモノの中見は限界があって、新島家に伝わる話はもっと詳しかった。特にこの方が亡くなる直前に、今部屋の中にある鏡台に自分の魂が宿る様に願った事や、鏡台を誰かに譲渡したり、売ったりしないようにときつく頼んでいた事、二度とこのような事が起きないように自分が亡くなった後に監視、見守る事を言い残してこの世を去ったことなどが伝えら

  • 幽霊が見えるからって慣れてるわけじゃない!!   第140話 あなたはダメよ

     誰も部屋の中に居ないのにもかかわらず、ひとりでに鏡面部分が開いた鏡台はもちろん言葉を発することは無いのだが、聞いた話とは異なり実際に目の前にしてみると、確かに何者かからみられている感覚がした。 そしてただ見ているわけにもいかないので、部屋の中へ新島家の人から一人、また一人と入って行くのだが、ドアを開ける前から感じていたプレッシャーのようなものに変化はない。 新島家に居た家族全員が部屋の中に入り終わった後に、今度は研究部のメンバーが入ることになったので、一応誰から入るか皆の顔を見回して確認する。しかし

  • 幽霊が見えるからって慣れてるわけじゃない!!   第134話 想いの塊

     俺たち三人が家の中へと戻ると、伊織たち別働班も戻って来ていたようで、初めに通された今の中では、新島さんのお母さんが青い顔をしながら、お父さんに抱かれていた。「あ、お義兄ちゃん……」「伊織、何かあったのか?」 俺たちが部屋に入ってきたことに気付いた伊織が、俺に向かって小さな声を上げた。その顔は少し青白くなっているような感じがして、いつもの『守ってみせます!!』という勢いが全く感じられない。それこそ年相応の女の子のような様子だった。「えぇっ

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